PHP入門(6)本当に基本的なPHPプログラムの書き方 ~関数~


1. 関数とは?

関数とは、特定の処理をひとまとめにして、必要なときに呼び出して使えるようにする仕組みです。再利用性が高まり、コードの可読性・保守性が向上します。

メリット:再利用・短いコード・修正が容易・バグの局所化

身近な例:料理のレシピ — 一度作ったレシピを材料を変えて何度でも使える。

2. PHP の組み込み関数(代表例)

用途別の代表的な関数と短い実行例を示します。

文字列

関数名 説明
strlen() 文字数を返す strlen("PHP") → 3
strtoupper() 大文字にする strtoupper("php") → "PHP"
substr() 部分文字列を抜き出す substr("apple",1,3) → "ppl"

数値

関数名 説明
round() 四捨五入 round(3.6) → 4
max() 最大値 max(3,9,2) → 9

配列

関数名 説明
count() 要素数を返す count([1,2,3]) → 3
array_merge() 配列を結合 array_merge([1,2],[3,4]) → [1,2,3,4]

日付と時間

関数名 説明
date() 現在の日付を文字列で取得 date("Y-m-d") → "2025-11-20"
time() Unixタイムスタンプを返す time() → 1732100000(例)

3. 自分で作る関数(ユーザー定義関数)

基本構文:

例:2つの数の合計を返す関数

4. 引数(パラメータ)とデフォルト値

引数は関数に渡す「入力値」です。引数にデフォルト値(初期値)を設定できます。

5. return と echo の違い

echo:画面に表示する(出力)

return:関数の「結果」を呼び出し側に返す(表示はしない)

6. 変数のスコープ(有効範囲)

関数内で宣言した変数は関数外から見えません(ローカル)。外の変数を関数内で使う場合は global を使いますが、頻繁な使用は設計上あまり推奨されません。

7. 可変長引数(...$args)

引数の数が不定の関数を作れます。渡された引数は配列として受け取られます。

8. 無名関数 / クロージャ / アロー関数

関数に名前をつけずに変数に代入して使えます。アロー関数は短い記法(PHP 7.4+)。

9. 実践ミニ課題(演習)

下の問題を実装してみてください。模範解答は授業で提示するか、別ファイルで配布してください。

問題1:税込金額(10%)を返す関数を作成。例:1000 → 1100
問題2:文字列を逆にする関数(strrev() を使わず実装しても可)
問題3:配列の最大値を返す関数(組み込み max() を使わずに実装しても可)
問題4:ログ出力用関数。引数はメッセージの文字列。返す文字列は次の形式:

例:[2025-11-20 12:34:56] アプリを起動しました

補足:教えるときのポイント

  • 最初は「関数 = レシピ」のアナロジーで導入する。
  • 短いコードサンプルを見せて、その結果を実際に実行して見せる(ライブコーディング推奨)。
  • returnecho の違いを必ず説明する。
  • スコープはバグの温床になりやすいので、演習で確かめさせる。
  • 中級として無名関数やアロー関数を軽く触れる。

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