エルメスの箱を潰して捨てる女

部下へのプレゼント

まだ、日本がバブルで景気が良かった頃、勤務先の社長もかなり景気が良かったらしく、たまに海外に行った際は、社員にお土産をプレゼントしてくださいました。

ある時、エルメスのスカーフをいただき、この時はさすがに高価な物でしたので、半年~1年後以内に、同様のそれなりの物をお返しはしたのですが、お互いに趣味がかなり違うため、開封後の気分がお互い共ビミョーでした。

ここまで書いてくると、タイトルからして、失礼な内容の物でも?、と思われるかも知れませんが、名の通ったブランドやお店に置かれる物にそのような物はまずありません。

今の私は、ビンボーになったせいかとてもそんなことできませんが、当時の私は、別人のようにあっけらかんとしてしており、なんと、スカーフを取りだした後、オレンジのあの箱の四隅を潰して捨てたのでした。

これには、そばで見ていた父が驚きました。
「捨てるのか…!」そして、しばし沈黙の後にこう言ったのが、印象的に記憶に残っています。
「たしかに、紙の箱ではある…。」
その当時は別になんとも思いませんでしたが、その後20年近くたって、別の年輩の方に雇われた際、その方も同じようなことをおっしゃっていました。

「俺は紙の箱は捨てるから。」
こちらの方は、プレゼントは貰いたいくらいの方でした。

現在しているアルバイトの関係で、「箱」ないですか?とたま~に聞かれるたび、このときのことを思い出して心の中で苦笑してしまいます。