お母さんがくれたショルダーバッグ

子供へのプレゼント

大学卒業後、地元の会社に就職して慣れない仕事を一生懸命がんばっていました。

仕事自体は楽しく、先輩や同僚など周りも良い人ばかりで環境にも恵まれていたと思います。
しかし、仕事の性質上、終業時間が不規則になりがちで元々体力のない私にはオーバーワーク気味で体調を崩してしまいました。

残業が多く、帰宅時間が遅いこともあり、以前から心配していた母からの奨めもあり、残念ながらその職場は退職することとなりました。

体調を崩していたことと、自分の体力の無さから思いがけず会社を辞めることになってしまったこと、また不景気な中、田舎で女性の就職がなかなか難しい状況にあることなどが重なり、いろいろな意味で私は自分に自信を失っていました。

失業期間中は落ち込みと今後への不安から出費も控えなくては!という気持ちが強かったので、それまでは好きだったショッピングなどにも出かけないようになってしまい、あまりおしゃれなどにも興味が向かなくなってしまっていました。

そんな時、母が自分のショルダーバッグを買いたいから、とバッグ売り場に立ち寄りいくつか気に入ったもので迷い、「どちらも良いから2つとも買う」と言って帰ると、帰宅してから「こっちの方が使いやすそうだから、もう一つはあなたにあげる」と言って一つバッグをくれました。

それは迷っているとき、「これはどの年代でも良いようなデザインだし、良いんじゃない?」と私も気に入っていたものでした。

「女の子なんだし、節約も大事だけどおしゃれもしなくちゃ」と時々言ってくれていた母の私へのさりげないプレゼントでした。

私に買ってくれるために、母自身がバッグを買ったのかもしれません。
そんな思いやりが、本当にありがたいものでした。

あれから10年ほど使い続けたバッグ。
最近、皮が剥げてしまい、さすがにくたびれてしまいました。

それでも、今も大切なバッグです。
外で使うことはできなくても、いつまでも残しておきたい思い出の品となりました。