これから作って行く上海の思い出

妻へのプレゼント

結婚して1年半には駐在員として夫が上海勤務となりました。

私の仕事の都合と夫の上海での仕事と生活に慣れる様、半年空けて私が上海へ行くこととなりました。

もともと中国は好きだったので、上海に行ってからは観光や食事、文化、言葉の勉強など満喫していましたが、日本で仕事をしている頃と違って、専業主婦になってしまい、夫のお給料で自分の物を買うのはなんだか気がひける、と2人で楽しむものにはお金を使っていましたが、自分1人で使用する物にはお金をかける事はあまりありませんでした。

いつも自分が行っているお気に入りの観光スポット田子坊にある観光客向けのお店に飾られた京劇の絵画に一目ぼれしました。

中国テイストの木の枠組み、鮮やかなグリーンのタイル地に映える赤の衣装を着た京劇の役者が描かれている絵画です。

外国人に人気のあるお店で、タイルに描かれた絵画やそのタイルをはめ込んだ家具など、中国テイストだけどとてもおしゃれな物が揃っているお店です。

欲しい、と思ったのですが、その頃には円安、中国元を円に直すとなかなかの値段、と言うより例えお金があってもどうしよう・・・と確実に迷って最終的には買えないな、と思う値段でした。

すごく素敵な絵画だけれど、買えないな、でもいつか自分で上海で働いて買ってみる!と夫に話してその日は帰りました。

なんとなく数日過ごし、自分の誕生日当日、なんだか自分で用意するのもなぁと普段と変わらない食事を作って夫の帰りをまっていると、大きな荷物を抱えて帰ってきた夫。

お店までタクシーで行って帰ってきたから遅くなっちゃってごめんね、誕生日おめでとう。

そう言って出して見せてくれたのは、いつか自分で買ってみせる、と思っていた京劇の役者が描かれた絵画でした。

嬉しくて嬉しくて、本当に嬉しくて夫に「本当にありがとう!」と感謝しました。
もうそれしか言葉が出なかったことを今でも覚えています。

上海でいつか働いて見せる、と意気込んだ思いは崩れましたが、この絵画を鑑る度に、中国語の勉強頑張ろう、中国をもっと知って楽しく暮らせるようにしよう、そしてなにより夫と毎日過ごす上海の思い出を良いものにできたらな、と思って過ごしています。