妻から貰った大事な鞄

夫へのプレゼント

私が今も使用している通勤用の鞄なのですが、実は妻が買ってくれたものなんです。

それまでは自宅に転がっていた小さなバッグを持って仕事に行っていました。

私自身、鞄にはあまりこだわりが無く財布や免許証が入れば何でもいいやと思っていて、特に外観も気にしていませんでした。
ですから持って行っていたバッグもいわゆるおばさんバッグで、男が持つようなものではなく、周りからは評判が悪かったんです。

そんな時、自宅に帰ると妻がおもむろに鞄を差し出してきました。
少し大きめの中にたくさん荷物が入る鞄でした。
ありがとうとは言ったものの、入れるものも無いしなぁと困惑していたら妻が一言「明日からはお弁当も持って行けるでしょ」と言いました。

その時にハッと気づいたんです。

実は私は毎日昼ご飯を食べていませんでした。
何故かとゆうと、こっそり昼ごはんで使うお金を貯金して妻へ誕生日プレゼントを買おうと思っていたからです。
私が勤める会社は不景気のあおりを受けて非常に財政的に厳しく、ボーナスもカット給料も減額になっていました。

そのことはもちろん妻も知っていたのですが、こっそりお昼を抜いていたことは黙っていたんです。
おそらく、毎日顔を見ていて少しずつですがお昼を抜いていたため痩せていく私を心配していたのでしょう。
しかも今使っているバッグにはお弁当を入れるスペースもありませんでした。
だからあえて大きめのバッグを私に黙って買って渡してくれたんだと分かりました。

正直泣けました。

心配をかけていたこと申し訳なく思いました。
翌日からその鞄にお弁当を入れて会社に通うようになりました。

あれから15年、今もその鞄は現役で使用しています。

もうぼろぼろなのですが、私にとっては一生使い続けたい大事な鞄です。