大学を出て働き出し、最初にもらった初任給で、今までお世話になってきた父へのプレゼントを買いに行きました。
わたしが父のために選んだのは、眼鏡です。
父は、わたしが物心つく前からずっと眼鏡をかけていたのですが、それが随分古びているなあと感じていたからです。
子どもの頃のわたしが父の眼鏡にイタズラをして、割ってしまって叱られたこともありました。
内緒で買ってきてサプライズにしたい気持ちもありましたが、眼鏡はそうもいかないので、久しぶりに父と二人で出かけ、わたしがフレームを見たてて作ってもらった眼鏡…。
本人はただ「ありがとう」とあっさりと受け取り、翌日から普通にかけていましたが、後で母に聞いたところによれば、「あいつも大きくなったなあ…」と言ったその眼鏡の奥の目は、潤んでいるように見えたそうです。
その話を聞いて、わたしも思わず目頭が熱くなってしまったのでした。

