家が火事になったとして、死んでもこれだけは持ち出すと決めているのが恩師から頂いたモンブランの万年筆と夫からもらったウォーターマンのボールペンです。
前者は私がまだ学生だったとき、大学院へ進み学術の道へと進むか否か考えていたときに「学術の方へ進むなら、サインなどをするのに良い万年筆は絶対に必要だから」といただいたものです。
これが後押しになり、学術研究の道へと足を踏み入れることになりました。
その後恩師は急死してしまい、図らずも唯一にして無二の遺品になってしまったのですが、今でもこの万年筆を握るたびにぴりっと気分が引き締まります。
そんなモンブランの万年筆のケースにはもうひとつペンを入れられるスペースがありました。
そのスペースを埋めたのが、当時まだ彼氏だった現夫が博士号取得を祝って贈ってくれたウォーターマンのボールペンです。
「その先生のモンブランほど凄くないけれど、もっと気軽に使えるペンもあっていいかなって」といいつつ、彼なりに一生懸命考えて探してくれたその心意気が嬉しくて、今でもその時の心境を思い出すだけで涙が出そうになります。
この2本のペンは私にとって生涯最高の贈り物であり、誇りです。
値段だけならもっと高いものはいくらでもあるでしょうが、私にとっては命にも等しいくらいに、大事な宝物です。

